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2005/10/04

街で見かけた野生馬

051001_bronco_01市内某所で見かけたフォード・ブロンコ(Ford Bronco)です。
この大きなボディは2世代目ですね。

「ブロンコ」のことを語るためには、ある車のことを取り上げる必要があるでしょう。
それは、アメリカ最大の農業機械メーカーであるインターナショナル・ハーヴェスター(International harvester)社が1961年に発売した「スカウト(Scout)」という小型の4WDピックアップです。

この車はオープンボディを基本としながらも、ソフトトップやハードトップを装着することで貨物車でありながらワゴン並の居住性が確保できたことや、ホイールベースが100インチというコンパクトさと4輪駆動で高い走破性を持つという点が人気を博しました。
またジープに独占されていた4WD車の市場に割って入った最初の競争相手でしたが、同社の充実した販売網と相まってジープよりも多く販売されました。
後には内外装がデラックスになったモデルやエンジン、ホイールベースを伸ばしたモデル等も登場し、民生用ジープと共にアメリカでの4WDブームの火付け役となりました。

このヒットに影響されたビッグ3は同様の4WDモデルを発売しますが、その中でも1965年に登場した初代のブロンコは、スカウトを参考にしてオープンボディにハードトップを載せるというスタイルで登場します。
いうまでもなく、スカウトや初代のブロンコは、その後、世界中に数多産まれたSUV(Sports Utility Vehicle)の始祖といっていい車です。

051001_bronco_02その後、1969年にシボレー・ブレイザー(Chevrolet Blazer)が、1972年にはダッジ・ラムチャージャー(Dodge Ramcharger)/プリマス・トレイルダスター(Plymouth Trail Duster)が登場すると、スカウトとほぼ同じ大きさのブロンコは販売面で劣勢を強いられます。

その結果、登場したのが、この2代目ブロンコです。
Fシリーズ・ピックアップをベースにフルサイズ化されて、1978年に登場したこの2代目は1996年にエクスペディション(Expedition)に道を譲るまで生産されるロングセラーとなりました。
ちなみに1983年に初代の小さなサイズを好むユーザーのために、一回り小さな「ブロンコII(Bronco II)」が登場しています(こちらは、1989年にエクスプローラー(Explorer)が後継となっています)。

画像のモデルはフロントグリルから察するに、1987年以降のモデルだと思われます。
大きな改造はされていないようなのが好ましい1台です。

ワタシはいまどきのSUVには殆ど興味を惹かれませんが、このブロンコや、初代のハイラックス・サーフ、テラノといった初期のSUVは結構好きだったりします。

思えば、この頃のSUVは所詮は荷台に屋根を付けた「だけ」のピックアップで、決して「万能車」ではありませんでした。
そんな車ですから、オフでの走行性能は専用設計のクロカン車に及ばず、居住性や快適性も普通のセダン、ワゴンに及ばない中途半端な車というのは当然のことでありました。
しかし、その屋根を付けた「だけ」という部分が、ピックアップという道具の性格も残していて、装備なども背伸びしている部分は有るけれど、簡素な部分は相変わらずで、いろんな場面で気にせずに酷使できるという点で好ましい存在でした。

その後、世界的なSUVブームとやらが到来し、各種のハイテクの導入や専用設計化の推進により、SUVは文字通りの「スポーティな万能車」になり人気を博しているのはご存じの通り。
しかし、万能さを求める余り肥大化が加速してしまった現代のSUVには、初期のSUVが備えていた美点が失われてしまっており、個人的な興味の対象からは外れてしまっています。

そんなこともあって、この型くらいまでのブロンコなんかを見ると、ちょっと惹かれるものを感じてしまいます。

ちなみに、マスタング(Mustang)は「半野生馬」、このブロンコ(Bronco)は野生馬の意味だそうです。
スペシャリティカーの始祖のといわれた車と、SUVの始祖ともいえる車が、いずれも馬の種類の名前を名乗っているのはおもしろいですね。

余談ですが、TVドラマ「ER」で、グリーン先生が最期の刻を過ごしたハワイで借りた車が初代ブロンコだったと記憶しています。
「スティック・シフト」に手を焼き、「マニュアルなんて必要ないぢゃん」といいつつ投げ出そうとする愛娘のジェニファーに、それでも運転を教えようとする場面がありました。
自分に残された短い時間の中で、愛する娘に何かを伝えたい、何かを共有したい、理解し合いたいと願うグリーン先生。
南国の青空の下、二人を乗せてビーチへ向かう道を走る赤いブロンコの姿が印象に残っています。

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