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2005/10/23

「日本丸」入港

051023_nippon_maru_02
10/17(月)~27(木)の間、函館港西埠頭等で開催されている「オーシャンウイーク」の一環として、同埠頭に入港した帆船「日本丸」の一般公開が行われました。

「日本丸」は独立行政法人 航海訓練所が保有する訓練船で世界最大級の練習帆船です。
今回の乗員は、商船高等専門学校(商船高専)の学生が84名(男子63名、女子21名)、この他に、64名の職員、乗組員を合わせた、総勢148名の大所帯だそうです。

一般公開は、食堂(講堂兼用?)と乗組員室の一部、そして後方の甲板上が公開されました。

見学中、甲板上にいた学生さんや乗組員の方々にいろいろ質問させていただきました。
知らなかったコトが沢山あって、なかなかためになりました。以下、その内容の一部。

051023_nippon_maru_overview
今回、日本丸で実習を行っているのは国内に5校ある商船高専「商船学科・航海コース」の5年生。
商船高専商船学科の学生は大型訓練船実習が必修。
商船学科には航海コース以外に機関コースもあり、機関コースの学生は、航海訓練所が保有する機船(3隻保有)で実習を行う。
実習航海は5年生の10月から1年間(12ヶ月)実施されるため、商船学科の学生のみ「5年6ヶ月」在学する(通常、高専の在学期間は5年)。
商船高専といっても、商船学科以外の学科は「船とはあんまり関係ないですねー」とか。
ちなみに、実習航海の詳しいスケジュールはこちら

全ての帆を展張するのに要する時間は約1時間(気象条件、海面の条件によって左右される)。
帆走の場合は風等の条件にもよるが、約18ノット程度。
051023_nippon_maru_clinometer
ちなみに最大速度で帆走中は船体がかなり傾斜し危険なため、学生の甲板への出入りは制限される。
機関を使用して航走(機走)する場合は、マスト等の空気抵抗が大きく最大でも8ノット程度の速度しか出ない。

051023_nippon_maru_scrub
甲板は約6cm厚のチーク材による総板張り。甲板磨きは学生の朝一番の日課。
ちなみに甲板磨きに使うのはデッキブラシではなく椰子の実を半分に割ったもの(中の「身」は取り除く)。
洗剤等は一切使わないそうですが、汚れが酷い部分は砂を研磨剤にして砥石で磨くそうです。
写真はわざわざデモンストレーションしてくれたところです。

051023_nippon_maru_launch
ランチは40人乗り。6本のオールを12人で漕ぐそうです。
やはりランチを漕ぐのは重労働らしく、応対してくれた学生さんは、「総員退去」訓練の際にエンジン付きのランチ(1艘搭載)に当たった仲間を羨ましく思ったそうです(笑)。

ところで日本丸といえば、昨年の台風の際に座礁して現在修復工事中海王丸という同型の2番船があります。
大型艦船の場合、同型でも建造年次が新しいと、かなり違う部分が出てくるということがよくあります。
その点について乗組員の方に伺ったところ、基本的には同じだが日本丸で判った不具合の改良等が予めが施されているため、海王丸は日本丸よりも高性能の由。
定石通り「『妹』の方が出来がいい」そうです。
ちなみに「練習船」という種別の船は、他の国にはあまりないそうです。
商船はどうか知りませんが、海軍では型落ちの巡洋艦や大型の駆逐艦が改装される例が多いので、そのために新造された船というのは、確かに珍しいかも知れませんね。

今回は東京を出発し太平洋経由で函館入りする予定だったそうですが、台風の影響により予定を変更。名古屋に寄港後、四国南沖を経由、豊後水道(!!)を通って日本海に抜けるルートをとったため、4日もかかってしまったそうです。
ちなみに日本海も荒れていたようで、船酔いする学生が続出していたトカ(笑)。

051023_nippon_maru_01
日曜日の一般公開では、船橋や機関等の船の中心ともいえる箇所の公開や、土曜日に行われたようなセイルドリルが無かったのは少々残念でした。
それでも「生きている」大型帆船を見る機会はなかなかありませんので、興味深く見学させていただきました。

26日までの間、夜は電飾が施されるようなので、また足を運んでみようと思います。

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コメント

はじめまして。日本丸TBありがとうございました。
映画のタイトルのようなブログ名と、
興味深いタイトルの補足?コメント
に惹かれます。ちょこちょこお邪魔させていただきます。

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