トヨエース
1954年、トヨタ・ライトトラック(SKB型)として誕生し、1956年に一般公募により「トヨエース」と名付けられました。
当時、国内の小型トラック市場は3輪トラック全盛の時代でしたが、トヨタは戦略的な低価格戦略でその市場に斬り込み、ついには3輪トラックを駆逐するまでに至ります。
SKB型は1959年にフルモデルチェンジしてSK20型にバトンタッチ。その後、1971年まで、実に12年に渡り生産され「トラックの国民車」といわれるまでの地位を獲得することになります。
1971年、大ヒットした初代、2代目を引き継いだのが、この3代目です。
この車が新車だった当時、2代目トヨエースを使っていた親戚がこの車に乗り換えたとき、随分モダンになったという印象を持ったことを覚えています。
それは先代に比べて、各所に樹脂部品が増えたこと、そしてその樹脂部品の質感が上がっていたことを子供心に感じたせいかも知れません。
但し、前述の通り「国民車」とま呼ばれた先代までと比べると、少々影が薄くなったという印象もあります。
おそらくは、他社同クラス車の攻勢や、トヨタ内部でもハイエースやタウンエースのトラック版が同車に代わるようになってきたせいではないかと考えておりますが、確証は持てません。
この辺は詳しい方の意見をお聞きしたいところです。
そのせいもあってか、1985年にモデルチェンジした5代目以降はダイナの兄弟車になってしまいました。
ちなみに、この個体は函館市内で現役を続けているもののようです。
車庫保管と普段の手入れがいいせいか、車体はしゃきっとしていて、足回りのへたりもないように見受けられます。
オリジナルではないかも知れませんが、懐かしい感じのブロックパターンを持つタイヤを履いています。
昔は商用車のタイヤといえば、こんなごついやつばかりだったような気もしますが、最近はとんと見かけなくなりました。
この車のような商用車はその性格から乗用車以上に旧いものが残ることが難しいと思います。
最近ではNoX法やディーゼル車規制もあり、ますます旧い商用車の生き残りにとって厳しい状況だといえるでしょう。
そんな状況の中で、こんな綺麗な個体が残っているというのは、ある種奇跡的であり、うれしさも感じます。
但し、酷使されて消えてゆくのも商用車の定め。
はたらく車が好きな者としては、少々寂しく残念ではありますが、それでもまだまだ現役を続けられるのに簡単に捨てられてしまう乗用車と比べると、その任務を全うして消えてゆくことができるのは、幸せなのかも知れません。
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コメント
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フレームが頑強で重量物が積載できるという事で、トヨエースのほかに
ニッサンのホーミー&クリッパーなんかも特定業種では重宝されたと
記憶してます。
代表格が「バキュームカー」でしょう(笑)。
あとは現金輸送車ですか。それも札束運ぶのでなく小銭回収用。
コインパーキングの前に、毎朝停まっていたりしますね。
投稿: akira isida | 2006/05/29 23:06