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2006/08/05

「うつうつひでお日記」 吾妻ひでお

名著「失踪日記」執筆時期の日記。

「失踪日記」のときにも感じたことですが、かなりキツい話の筈なのに、それを感じさせないのは凄い。
ここまで落ち着いて客観的に自分を見つめるってのは、なかなか出来ないことです。

「失踪日記」のあとがき(とり・みき氏との対談)では、それが「ギャグ作家としての性」といった発言がありましたが、それが出来るのは「強い」部分を持った人なのではないかと。

逆にいうと、氏には「マンガ」という道具が、自己を見つめ直す道具となると同時に、危機的状況の中でも踏みとどまることが出来る助けになっているような気もします。元々の強さをマンガというか、創作活動が底支えしているのでしょう。
前作でもそれを感じましたが、今作はこのことをそれ以上に強く感じました。

「何かに熱中していると うつが出ないから 精神衛生上 良い」(P132)

これはもの凄く重みのある言葉のような気が。

それにしても凄い読書量。あの独特のセンスはこういったところにも支えられているのだなあ、と再認識。
氏ならではの丁寧な画のスタイルも健在。これだけキャリアのある人だと、枯れたり荒れたりすることもあるんですけどね。

ファンならずともおすすめできる1冊であります。

でも、これも売れると、益々「日記」需要が増えそうで元々からのファンにとっては、ちょっとアレかも(^_^;)。

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