気持ちよかったけど、スカッとしない
昨日は厚別にて2006年J2第34節札幌対仙台戦。
本来は厚別まで行く予定でしたが、いろいろあって取りやめとなり、いつものところでTV観戦と相成りました。
結果は3-1で勝利。
双方共に気持ちが入り、観ていて気持ちのいい試合でした。
個人的に感じたこの試合を決めたポイントについて、以下、簡単に感想を。
・札幌も仙台も互いによく動き、球離れの早い展開だったこと。
90分間、互いに中盤での早いプレスと展開が目立つ、非常に運動量の多い試合でした。
札幌側はマイボールになったとき、もう少し中盤で時間をかけてビルドアップすればという場面があった気もしますが、仙台のプレスにつけいる隙を与えないためには、中盤であまりキープし過ぎないというのは正しい選択だったのかも知れません。
おそらくは仙台側も同じ意識で動いていたために、ボールと人がよく動く「野次馬的」には面白い試合でした。
結果的に仙台のプレスが終始変わらず、そこから逃げるためにもボールと人を速く動かすという選択になったのだと思いますが、、それが結果として今の札幌のサッカーを90分間続けられたということに繋がっていたような気もします。
・相変わらずのクロスへの対応。
時間は「いつも」の後半開始直後。
芳賀のマークが外れたチアゴに割り込まれ、そこに熊林からクロスを合わせられて失点。
90分間で何度かクロスをあげられるのは仕方のないこと。しかし、何度も同じヤラレ方をしていて、それが修正できていないというのはどういうことでしょうか。
前半の良い雰囲気がこれで帳消しになってしまい、仙台に流れが変わってしまったということでも、このミスは大きいものでした。
・半ば博打に近かったものの、修正すべき点を決断した選手交代。
札幌が流れを替えるためにスナマコを上里に替えますが、仙台に押し込まれていた時間帯だったこともあり、上里はなかなか高い位置に出ることが出来ず、2トップ、特にフッキとの距離が開くようになりバランスを崩してしまいます。
ここで上里とフッキとの距離を修正してトップへのボールの供給を増やしたいところですが、ここでフッキの修正が不能と判断したヤンツーさんは彼に替えて謙吾を投入。
フッキもかなり不満の残る交代だったと思いますが、これが大当たり。
バランスを取り戻した上里→謙吾のラインから決勝点となる逆転ゴールが産まれます。
この結果からいえることは、まずフッキは持ち過ぎと、相手との距離を意識するプレイを改めて考えるべきだということが一つ。
もう一つは、TV解説のノノ氏も指摘していた通り、ボランチが本職のせいか自分のポジションを守りがちになる上里も、場面に応じて大きく動く必要があるということ。
前者については、結果からフッキも学んで欲しいですし、後者について
は、上里も入ったポジションに応じて、もっと意識的に動きとポジション取りを変えていく動きをして欲しいところです。
・逆転のとき、ほんの僅か仙台の気持ちに「空白」があったように見えたこと。
私見ですが、謙吾の得点の後、仙台の選手の気持ちに一瞬の「空白」があったように見えました。
相手が1人少ない状況で、自分たちが試合を支配していて、致命的なミスも無かった筈なのに、失点してしまった。ある意味、信じられないという気持ちから、僅かな時間プレイに集中を欠いたように見えました。
これは結果として、札幌に落ち着きを取り戻させることになったように思います。
仙台が集中を欠いた時間帯は本当に僅かで、直ぐに同点に追い付くべく前がかりになりますが、少々攻守のバランスが崩れてしまい、上里の駄目押しゴールを許す結果になったのではないかと。
もしもあそこで仙台が集中を途切らせずに、そこまでと同じリズムのサッカーができていたなら、違う結果になっていたのかも知れません。
ある意味、サッカーの恐ろしさが現れた瞬間だったかも知れません。
さて、この仙台戦は確かにいい試合でしたが、それにしてもいい試合と悪い試合の振幅が大きすぎるということを改めて感じました。
最近の試合を振り返ってみると、徳島戦は長いシーズンの中、こういう試合もあると思えるような内容でしたが、前節の愛媛戦は全くといっていいところ無しに終わった試合。そして、この仙台戦。
直近の3試合を並べただけでも、これだけ内容に差のある試合が並ぶのも珍しいでしょう。
34節を終えて、順位は5位。3位の神戸とは勝ち点差が11。
昇格争いに加わるためには縮められない差ではありませんが、脱落する
のも容易い差でもあります。ここで踏ん張るためには、試合毎の出来不出来の差を如何に小さくしていくかということが求められる筈です。
いい試合をしてもそれが続けられない。下位相手に不甲斐ない試合をする。
終盤に向けて、何故それが起こってしまうのか、選手自身が改めて振り
返り修正していく、それが求められているような気がしてなりません。
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