HAPPYEND SUPER SESSION BAND
もう1週間近く前の話になってしまいましたが、11/20(月)に金森ホールで開催された“HAPPYEND SUPER SESSION BAND”というライブを観てきました。
以下、簡単に感想を記しておきます。
#2006/11/28 追記・修正
一部、記憶違いによる記述がありましたので、これを修正。
ちなみに当日のセットリストはBassのよっちゃさんのblog「yotchaブロ」に掲載されています。
出演は前回のエントリで書いた通り、鈴木茂(元はっぴいえんど。Gt, Vo)、PANTA(元頭脳警察。Gt, Vo)、布谷文夫(元ナイヤガラ・トライアングル。Vo)、矢野誠(Pf)(以上、順不同敬称略(^_^;))という、なかなか通好みのメンバー。
本来は、ブレッド&バターの岩沢二弓さんが出演予定でしたが、事情により矢野さんに交代されたとのこと。
事前に矢野さんの代打が決まっていたようですが、会場では特にそれについての説明は無し。
中にはブレバタのファンで彼の出演を楽しみにしていた方もあったと思いますので、きちんとした説明があった方がよかったのではないかと。
バックはDr(2名。途中で交代)、Ba(よっちゃさん)、Gtの3名が参加(すいません。お名前を控えておりませんm(__)m)。
ステージはバックのお三方+矢野さん、そして布谷さんという組み合わせでスタート。
ワタシは布谷さんというのは「ナイヤガラ音頭」の人ということ以外、どんなうたを唄う人かさっぱり知らなかったんですが、強烈なシャウトが印象的でした。
ただ、時折歌詞が怪しくなる等、ややリハ不足を感じさせる場面があったことも確かです。
スタンダードナンバーを中心に数曲やったあと、ギターに鈴木茂さんを迎えて2曲。
布谷さんには申し訳ありませんが、茂さんの登場で場内の空気が一変しました。流石です。
茂さんは布谷さんについて「昔から知ってるけど、一緒に演るのははじめて」、「僕にないものを持っているので、一緒に演っていて楽しい」と仰有っていましたが、気持ちはよく判るような気がします。
ちなみに布谷さんパートのセットリストの中には、郷土の先輩である三橋三智也さんの「達者でな」も(個人的には布谷さんのパートではベスト)。久しぶりの故郷でのステージで、ご当地に因んだ選曲だったようです。
ここでセットチェンジ。てっきり休憩が入ると思いこんでトイレへ。
戻って来たら、ステージにはPANTAさんが座り込んで、MCを始めていたので焦りました(^_^;)。
PANTAさんは、エレアコ1本携えて登場。
最初は重信房子と交換書簡をしているという話題を中心にしたMC。
その後、その交換書簡の中から生まれたという、パレスチナの女性闘士のことを題材とした曲を1曲。
個人的には彼の政治的、思想的な志向とは相容れない部分はありますが、そのうた自体は力強くメッセージが伝わる1曲ではありました。
その後、バックのお三方+矢野さんが入って、頭脳警察末期のナンバーを中心にステージを展開。
実はこのコンサートを告知するポスターを見たとき、「この面子に何故PANTAが?」と不思議に思い、正直なところあまり期待していなかったんですが、セッションパートになってからも変わらぬ力強い歌声に引き込まれてしまいました。
「『頭脳警察』のPANTA」というと、ある種の政治活動のシンパとかレコードが発禁になったなどのイメージから、かなり硬派で取っつき難いイメージがありますが、MC等を聞いてみると、言葉遣いも礼儀正しく丁寧で、真面目な人だという印象を持ちました。
相変わらずの「美声」を活かした伸びやかなうたも健在。そしてなによりも力強い歌い方からは、「うた」の力を信じ続けて真摯に取り組み続けてきた人であることを再認識させられました。
途中、矢野さんと一緒に仕事したアルバム(「PISS唇にスパーク」かな?)の話題になり、あれはファンクラブで不買運動が起こったんだよね(何せ「レーザーショック」ですから(^_^;))とPANTAさんが言うと、「でも、あれをやりたいといったのはキミだ」と矢野さんが返すと、場内爆笑。
その後、PANTAさんが「みんなアレンジャーとしての誠さんは知ってると思うけど、どんなオリジナルをやるか知らないと思う」と言って「オリジナル聞かせてください」というリクエストに応じて、矢野さんが1曲披露。
#2006/11/28追記
この矢野さんのソロ、PANTAパートではなく、鈴木茂パートの中で茂さんからのリクエストでした。
何故か、記憶違いをしておりました。ついでに、矢野さんの再登場も最後の2曲(「世界婦人」、「Moonlight Surffer」)のみでした。
ちなみによっちゃさんのblogによれば、矢野さんのソロは当日のサウンドチェックで矢野さんが弾いた曲が良かったので急遽取り入れた由。
ついでに追記しておくと、PANTAパートのシメは「moonlight surffer」。
石川セリさんのナンバーですが、作曲がPANTAだったとは。これも嬉しい収穫でした。
実は、布谷さんのパートの最初の方は、矢野さんの演奏はキレが無く、腕が鈍ったのか、と思わせる部分もありましたが、その後、興が乗ったのか、尻あがりにいい演奏になり、PANTAのパートでは素晴らしい演奏を見せてくれました。
その後も代理が居ない矢野さんは出ずっぱり。急遽出演が決まった上に、ハードワーク。お疲れさまでした。
そして、いよいよメインアクトともいえる鈴木茂さん登場。
オープニングは「スノーエクスプレス」。その後、MCを挟みながら「バンドワゴン」からのナンバーを中心に演奏。
いずれも素晴らしい演奏で、勿論「100Wの恋人」では、素晴らしいスライドギターも聞けました。
ちなみにギター好きにとって気になる機材は、サンバーストのストラト。
途中で変えるかと思ったら、終演までこれ1本でやったのは意外でした。
そういえば、開演前、終演後、ステージ上を覗き込んでエフェクターボードの内容を確認する方が多数。
皆さん、お好きですねえ(笑)。
最初はいつも通り、飄々とした雰囲気で演奏されていましたが、徐々に熱が入り出し、最後の方ではかなり場内も盛り上がり、パートの最後は「花いちもんめ」でシメ。
ライブのタイトルからいうと、はっぴいえんどのナンバーがもう少しあってもよかったような気もしますが、最高に盛り上がったところで「花いちもんめ」が聞けたのも、なかなかよかったのではないかと。
茂さんパートの後は、布谷さん、PANTAさんも出てきて全員で数曲(すいません。セットリスト覚えてませんm(__)m)。
アンコールはおそらく用意していなかったと思われますが、2曲ほど。その割には「Standby me」で場内と合唱するなど、なかなかいい選曲だったと思います。
ちなみにバックの方々は、茂さん、矢野さん、PANTAさんに比べると、少々物足りない気もしましたが、繰り返しになりますがリハ不足っぽい感じもあり、それを差し引けばよくやっていたと思います(特にBassの人)。
最後の方では、茂さんの機材に少々トラブルもあったりして、やはりこの手のセッションは準備期間が少ないと難しいのかな、と思わせる場面が多々ありました。
その他にも(このハコではいつもですが)PAがイマイチだったりもしましたが、そういったマイナス点を差し引いても、非常に濃い3時間半でありました。
事前には、もっとあっさりしたステージを予想していただけに、入場料以上に堪能して帰ってきました。
ところで、帰路のタクシーの中で同行した友人と話していて気が付いたことが一つ。
ワタシ、今年はここで「そばかすのある少女」を2度聞いてるんですね。
まず、1月の南佳孝バージョンと、今回の鈴木茂バージョン。
「そばかすのある少女」で始まった年を、「そばかすのある少女」で締める。
こうして、ワタシの2006年は暮れていくのでありました。
#・・・って、まだ1ヶ月ありますがな・・・(^_^;)>自分。
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コメント
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セットリストは当事者のブログでw
http://silver.ap.teacup.com/yotcha/
投稿: t_j_shin | 2006/11/27 19:16
セットリスト興味深く拝見しました。>>t_i_shinさま
布谷さんの「貧乏」はウルフルズVer.だつたんですね。それは聞いてみたかったです。
nanさん
「売るはずのCD」箱から、林さんのNon Vintageをサルベージしたので、今度送ります。上のウルフルズVer.は大瀧さんのトリビュートアルバム「ナイアガラで恋をして」に入っているはずで、これも箱に入っているはずなんでサルベージできたら同梱しますね。「HAPPY END PARADE」の小西康洋「はいからはくち」なんてのも、面白いですよ。
ではでは
投稿: akira isida | 2006/11/27 21:24
>t_j_shinさん
情報多謝!! TBも打っておきました(^_^;)。
まさか頭脳警察のコピーやってた方だとは>Bassの方。
なるほど、殆どの曲のバックコーラスが出来るわけだ(^_^)。
>isidaさん
先日はどうも(^_^;)。
あー、なんだか申し訳ないです>CD(汗)。
「貧乏」。なかなかでしたよ。
でも、ワタシはウルフルズ聴いてないので、判りませんでしたが(爆)。
>小西康洋「はいからはくち」
小西康陽はピチカートファイヴでも「愛餓を」とかやってます。
基本的にあの辺の世代のアーティストははっぴいえんどに影響されている人が多いと思ってます。
投稿: nan | 2006/11/28 22:37