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2008/01/22

日産GT-R

071216 日産GT-R 日産銀座ギャラリー前にてもう1月以上前の話になりますが、日産銀座ギャラリーへGT-Rを観に行ってきました。

以下、その感想を。

071216 日産GT-R バイプラントレッド評価が分かれる外装スタイル。
おそらくその評価のポイントは、各所のディティールにあると思われます。
個人的には’70〜80年代のシルエットフォーミュラや、近年のGTカー、LMPカー等からのディティールの援用と考えると、特に驚いたり理解不能ではないと思います。
それに対し、プロポーションは極めてオーソドックスなセダンベースのクーペのもの。なかなか綺麗なシルエットではないでしょうか。

ちなみに銀座ギャラリーには、カタログに用意されている全ての車体色を見ることが出来ました。
あまりいい印象を持たなかったのが、ホワイトパールとスーパーブラック。
せっかくのディティールがスポイルされるような気がしました。
逆に好印象だったのが、バイプラントレッド。巨大なボディをやや軽快に見せる感じがよかったです。

071216 日産GT-R Fフェンダー部個人的に気に入っているのが、フロントフェンダー部の造形。
全体との調和をいわれると弱い部分はありますが、光の当たり具合によって見せる陰陽は見飽きないモノがあります。

ちなみにブレーキは、おそらく日本製の量産車としては初のベルクランクタイプですが、ハブとディスクを結合しているボルト部にクリップと覚しき細かい部品が付いており、大径ブレーキ独特の迫力の中に繊細な美を感じました。
おそらくは、機能優先がもたらした結果でしょうが、もしも意匠家の手が入っているとすれば、メカフェチのココロをくすぐる憎い演出であります(笑)。

前述の通り、プロポーションはともかく、異形にさえ思えるディティールについては、他の誰にも似ていないという雰囲気を生み出している点では、成功していると思います。
但し、世界の高価格、ハイパフォーマンスカーと勝負するにはエレガントさが足りないという批判もあります。それについては、価格帯はやや下がるもののZという、極めてオーソドックスなスポーツカーをラインナップに持っていることで、GT-Rがこの「異形」に挑戦できたのではないか、そんな想像をしておりますが、如何でしょうか。

071216 日産GT-R エンジンルーム今時のクルマにしては、珍しく本体が剥き出しになったエンジンルーム。
騒音面などから考えると、特にここまで見せる必要はないと思われますが、オーナー層を考慮した演出なのかも知れません。

071216 日産GT-R 室内おそらく、このクルマで最も残念な部分が、内装の意匠でしょう。
シートの作りや、各部の質感は悪くないと思いますが、見た目の統一感が乏しいのが残念です。
いろいろなモノが、いかにも持ってきたままくっつけたように感じられるのは、この価格帯のクルマとしては、少々やっつけ仕事のようにすら感じられます。

敢えて機能優先のビジネスライクな感じを狙ったのかも知れませんが、センターコンソール上のスイッチ類を、ご自慢の多機能ディスプレイのタッチパネル中に納めてしまうとか、もう少し工夫があってもよかったような気がします。

当然、試乗はできませんでしたので、乗ってみてどうかという話は、ここでは触れません。

サイズについては、確かに大きいのは確か。日本国内では持て余す場面があるのが、容易に想像できます。
但し、300km/hオーバーを真面目に狙った初回作と考えると、結構なマージンを取った結果がこのサイズといえるのかも知れません。
重量についても、決して軽いとはいえませんが、このボディサイズと比較的オーソドックスなスチールモノコックをベースにした内容から考えると、妥当な重量ではないかと。
世の中には、総アルミ合金のボディを持ちながら、同じような重量で「軽量」を謳っているスポーツカーもあることを考えると、なかなか健闘しているのではないでしょうか。

071216 日産GT-Rさて、やや駆け足になってしまいましたが、まとめてみると、いろいろ毀誉褒貶かみすばしいところはありますが、話題になるだけの内容を備えたクルマであることだけは間違いないと思います。

速さだけが絶対か。誰にでも扱えるスーパーカーなんて。そもそも、これはスーパーカーなのか。等々、批判も多々あるわけですが、開発に携わった方々が真摯に目標に向かって仕事をした、それだけは間違いがないのは確かでしょう。

日産がこれまで踏み込んだことのない領域への第一歩がこのR35なのだとすれば、”GT-R”ならではの世界観をどのように醸成し、次の”R36”へ引き継ぐのか、それがこのクルマに課せられた命題だと思われます。

願わくば、誰にも判り易い、そんなクルマにはならないで欲しい、そんな気がします。

ちなみに、もしも買えといわれたら、グレードは「素」のGT-R。車体色はバイプラントレッドかアルティメイトメタルシルバー。内装はグレイ。オプションはBOSEのサウンドシステムくらいで、あとは特に必要ありません。

これを日常からとにかく使い倒す。そしてグランドツーリングも楽しむ。
それが、このクルマらしい使い方ではないでしょうか。

#でも、到底払えるお値段ではありませんけどね(笑)。

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コメント

東京モーターショーでものすごい人の中で、こんな細かいところまでは到底みれず。というか自分がまじかで見てもnanさんのような見方はできないですが・・・。なるほどこういう感想かと感心いたしました。
年末の帰省時、東北道の追い越し車線走行中。ルームミラーに白の見慣れぬフロントマスクの車が、なんかあまり見たことない車だなあ、いいスピードで近づいて来たので道を譲ったら、あのリアの丸テールランプ。日産GT-Rでした。このテールを後塵にされると、どこかにこの車に対する憧れが残っているのが感じられました。
フロントのインパクトはリアの数分の一ですかね。

投稿: kiku | 2008/01/22 23:28

わたしも銀座四丁目のショールームで見たレッドには好印象を持ちました。本社には全色そろってるんですか。そういえばモーターショーの時期にGT-Rだけ載せた車両運搬車をちらと見たのですが、そうかここに運んでいたのか(笑)。

グリル周りのデザインだけが不満かな。ランエボも同様のモチーフで出てきたこともあり、もっと「誰も真似できない」ものであって欲しかったです。

2003年からの量産デザインの初期案には、アストンマーチンのような展開もあったらしいですね。やらなくて正解だったと思います。所詮、日本人俳優にジェームス・ボンドはできませんから。

今後の課題として、大排気量のスポーティなFRセダン、クーペのデザインをどうしていくのか・・・スカイラインのセダン、クーペも含めて新しい展開が必要かと。となると参考にすべきはドイツの会社ではなくて、意外とキャディラックあたりではないかと思うんですけどね。

投稿: akira isida | 2008/01/24 04:03

>kikuさん

もう路上で見ましたか。ワタシはまだ未見です。
納車自体は順調に進んでいるようですけどね。
おそらく陽の光の下で見ると、また印象が変わりそうな気がしているので、早くお目にかかりたいんですが。

丸テールについては、いつまでも、コレぢゃないだろう、という気もしていますが、一般的にはGT-Rといえば、コレなんでしょうね。

>isidaさん

なるほど。確かにランエボにも似ていますね>Fグリル。
よく見ると、凝ったダクトの形状と構成のようで、苦心の跡を感じさせますが、もう少し素直に開口部を空けてもよかった気がしています。

アストン風・・・そうならなくて、よかったです(^_^;)。

なるほど、キャディがお手本ですか。
あちらもブランド再構築に躍起ですね。
ワタシもスカイラインとGT-Rは、折角「のれん分け」したんだから、それぞれブランド再構築が必要だと思っています。
GT-Rはスカイラインの中でのイメージリーダーである必要は無くなりましたし(逆に日産のイメージリーダーたる必要がありますが(^_^;))、スカイラインはGT-Rの呪縛から逃れて、本来進むべき進路を取ることができるようになったと思っています。

世間様には評判の悪かったV35ですが、そういう意味では正しい方向を向いていると評価しているのですが。

投稿: nan | 2008/01/26 13:55

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