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2023/12/30

今年読んだ本 (その1・新書)

自分用の備忘録も兼ねて、今年読んだ本を晒してみる。
簡単な紹介というか感想も記しているが、改めて読み直してのものではなく、記憶を辿って書いているものなので誤りもあるカモ。
まずは新書。

ウクライナ戦争に関する小泉悠さんの著書を幾つか。


著者 : 小泉悠
文藝春秋
発売日 : 2022-09-20
他の小泉氏のウクライナ戦争関連著書とは違い、7名の識者 (東浩紀、砂川文次、高橋杉雄、片渕須直、ヤマザキマリ、マライ・メントライン、安田峰俊) との対話集。
この中では高橋杉雄氏とのIII、IV章は現状分析的なところがあり、小泉氏の他の著書を補填しているような内容に感じた。
その他の対話では、現在の日本とそれを取り巻く状況、日本(や、周辺地域)で同様なことが起こった場合はどうなる、どうするのかを各ゲストの視点から考えているように感じた。
2022年9月に出版された本ではあるが、今改めて読んでも考えてみるための良いテキストであると思う。


著者 : 小泉悠
文藝春秋
発売日 : 2023-09-20

今年(2023年)9月時点での状況から、ウクライナ戦争のこれまでを振り返り、これからを考察している。

 



文藝春秋
発売日 : 2023-06-20

今年(2023年)6月時点でのウクライナ戦争に関する考察。現在起こっている戦争が局地戦ではなく、インターネットの発達などによる通信環境等が発達した現代における、これまでとは形の違う国家間の総力戦であると捉えて考察している。



中央公論新社
発売日 : 2021-07-25

第43回 (2022年度) 石橋湛山賞受賞作。
これまでの大きな戦争の終わり方、終わらせ方にフォーカスした研究。
『根本的解決と妥協的和平のジレンマ』を切り口に、第一次世界大戦、第二次世界大戦 (ヨーロッパとアジア太平洋)、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争・アフガニスタン戦争・イラク攻撃について考察している。



中央公論新社
発売日 : 2018-11-17

北海道近代美術館の特別展『足立美術館所蔵・近代日本画と北大路魯山人展―和の美、再発見』を観覧した際、展示室出口にあった関連図書で紹介されていた一冊。
帰りがけに書店に立ち寄って中身を見たところ、時系列でわかりやすく解説されており、入門書として好ましい内容だと感じたので落掌。
個人的には知っていたことと、知らなかったことが整理できた気がしました。




著者 : 藤森照信
岩波書店
発売日 : 1993-11-22

持っていた本を整理していたら、上巻は持って(読んで) いたけれど、下巻を読んでいなかったことに気付いて、改めて落掌。



著者 : 隈研吾
岩波書店
発売日 : 2023-11-29

著者が見た日本の建築史という体裁をとっていますが、個人的には著者の建築家として振り返りと、考え方 (思想) の整理、再表明であるように感じました。
民藝批判、若かりし頃の自己批判、モダニズム批判、等々、著者の考え方に興味のある方にはお勧めできるかと。



著者 : 柳父章
岩波書店
発売日 : 1982-04-20

「本書で取り上げた初めの六つ、「社会」「個人」「近代」「美」「恋愛」「存在」は、幕末から明治時代にかけて、翻訳のために造られた新造語である」と『まえがき』にあるように、それまで日本語の概念になかった言葉を、どのように翻訳、受容してきたかを解説している。
今では当たり前のように使われている言葉が実は翻訳語であり、しかも『新しい言葉』で、元の意味から変容している場合もある例もしまれている。これについては、グローバル化がいわれている現在でも、変わらぬ現象のように感じた。



著者 : 森暢平
中央公論新社
発売日 : 2022-03-22

元毎日新聞の皇室担当記者で現在は成城大学教授の著者による天皇家の恋愛、婚姻に因む事柄に焦点をあてた本。
明治皇室の一夫一婦制導入に始まり。『眞子さま問題』までについて研究解説しているが、個人的には現天皇の皇太子時代についての言及がなく、いきなり眞子内親王に話題が飛んでいるあたりに不満を感じた。
それでも、このテーマがコンパクトにまとめて読めるという点では、お勧めできるかと。



著者 : 長尾宗典
中央公論新社
発売日 : 2023-04-20

帯の惹句に「『東洋一』の図書館の理想と現実」とあるように、それまで日本になかった図書館の立ち上げから、現在の国立国会図書館まで繋がる歴史を一覧することの出来る一冊。
図書館という概念がなかった時代から、人、物、心、いずれのリソースも不足している中での悪戦苦闘が描かれている。
現在の図書館に関する問題も垣間見られるところもあり、興味深く読めた。



著者 : 金澤裕之
中央公論新社
発売日 : 2023-04-20

現役の防大准教授 (2等海佐) による幕府海軍成立以前から成立、そして崩壊に到るまでの研究。
単に歴史を時系列で追うだけでなく、海軍とは何かにはじまり、幕府海軍が遺したもの、そして今日の海軍 (海上自衛隊) の役割までがまとめられている。
幕府海軍については、戊辰戦争等の戦記的なものは目にする機会があるが、その成立、組織、装備等についてコンパクトにまとめられたものは少ない気がするので、面白く読めた。



著者 : 佐藤雄基
中央公論新社
発売日 : 2023-07-20

御成敗式目というのは、昔教科書で読んだことはあるけれど、中身をよく知らなかったので、手に取って見た一冊。
法律というよりも武士が国家を支配し始めた時期に、起こる様々なことに対する行動規範というか「べからず集」、対処事例集的な側面もあったようなのが面白かった。それに合わせて貴族(朝廷)との関係も、その成立に影響与えているとか、色々勉強になりました。



著者 : 近田春夫
文藝春秋
発売日 : 2023-02-17

グループサウンズの成立から消長までをまとめた解説書。
著者自ずから、そのシーンの中にいたこともあるので詳しいのは当然のようにも思えるが、相変わらずの博覧強記ぶりに感嘆させられます。


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