2024年に読んだ本 (その2・新書)
と、いうことで、昨年読んだ新書を記録しておく。
改めて確認してみたら4冊だけ。新書は割合新しめの話題を取り上げたものが多いが、昨年はその種のものをほとんど読んでいなかったことを再認識するなど。
東京大学での同名講座の内容をまとめたもの。
講義録なので当然だが、門外漢にも分かり易く整理されている一冊。
『この先』を知りたい向きには、参考書の紹介も欲しかった気もするが、それを自ら探すのは『学習者』がするべきことなのでしょう。
定説のように語られる俗説を、資料を基に否定していく。
知っているようで知らないことの多い百人一首の世界。
堤康次郎の生い立ちから、事業の立ち上げ、その拡大と現在の西武グループの構成までがよくまとまっている。
利益に向かって貪欲に突き進んでいたのは間違いないが、堤康次郎にも彼なりのこの国や市民生活をどのようにしていくかという理想があり、それに突き進んでいたように感じた。
それは形を変えながらもセゾン文化、プリンスホテルというブランドにも引き継がれていたともいえないだろうか。
それにしても、この世代の政治、経済での大物といわれている人物のエネルギーはどこから来ているのか。その力は単純に肯定出来るものではないし、それが今の時代にもマッチするとは思えないが、今の日本に足りないものなのかもしれない。
オホーツク海沿岸での軍事的存在感を示すためにソ連、ロシアがどのような戦略を持ち構築してきたかを知るのによくまとまっている一冊だといえる。
そして、ソ連崩壊、更に今日のウクライナ戦争に到るまでの間に、この地域での核戦略とその実態がどのように変化、或いは崩壊してきたかをも知ることが出来る。
この本の中でも触れられている通り、極東方面での核戦略とその実行能力はかつてより弱体化しており、大きな情勢の変化がなければ、それが反転することはないと思われるとはいえ、ある意味で『負の均衡』が崩れて脅威が増すことがないことを祈るばかりである。
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