2008/07/13

おもいでエマノン

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おもいでエマノン (リュウコミックススペシャル) (リュウコミックススペシャル)

多くの年強いファンを持ちながら、寡作というか、遅筆で知られる鶴田謙二の新刊。
帯には「5年ぶり」とありますが、到底現役の人気作家の出版間隔とは思えません(^_^;)。

とはいえ、鶴田謙二の新作は非常に喜ばしい(笑)。
更に1巻で完結しているというのは、二重に喜ばしい(爆)。

どうやら原作はその筋では有名なシリーズのらしいのですが、ワタシは日本SFの真面目で熱心な読者ではなかったので存じあげません。ごめんなさい。

鶴田謙二ならではの精緻な筆致と相俟って、心に残る佳作に仕上がっています。
上手く説明できませんが、海外の短編映画(今流にいえば「ショートフィルム」か)がお好きな方にはお勧めできると思います。

あとがきで、原作者の梶原氏が鶴田謙二のエマノンについて「はまりすぎている」、「以降のエマノンを執筆するとき私の中でのイメージは鶴田さんのエマノンになっています」と書かれています。

ここを読む限りは実に幸せな組み合わせというエピソードではありますが、視点を変えると鶴田謙二の描く女性というのは、日本のSF好きの男の子の憧れる女性像の一つの典型、まさに「〈永遠〉の少女」だと思います。

#勿論、ワタシも好きなわけですが(笑)。

鶴田謙二も「エマノン」シリーズの読者だったということですから、エマノンのイメージは自ずから似たものになる、即ち「奇跡」は約束されていたのではないかと(^_^;)。

さて、劇中に出てくる「お食事のご用意ができました」というアナウンスは、懐かしいですね。昔は青函連絡船やら特急列車ではお馴染みでした。
今はどうでしょう!? 確か、北斗星では同じようなアナウンスを聞いた覚えもありますが、長距離フェリーでも生き残っているでしょうか。

ところで、ラストの駅が何処なのか。非常に気になります。

ご存知、またはお気づきの方は教えて下さい。
なにやら煉瓦造りの車庫がヒントのような気もします。

#北陸、信越方面のような気がしてなりませんが・・・。

投稿:by nan 2008 07 13 02:00 午前 [書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2008/02/11

かつて永大産業というチームがあった。

すでにサッカー好きの間で話題になっていますが、快著であります。

かつて永大産業サッカー部というチームが、日本リーグに所属していました。
ワタシにとっては、ジャイロ、ジャイール、アントニオというブラジル人トリオの力もあって、短いながらも活躍したという知識しかなく、ホームタウンがどこで、どのような歴史を持ったチームか、といったことなど、これまで興味を持つことはありませんでした。

当然、創部から3年で「天皇杯で優勝する」という、常識では有り得ない目標を掲げ、しかもほぼ目標に近いところまで成し遂げてしまったという事実など、知る由もありませんでした。

本書は、その永大産業サッカー部の、創部から廃部に至るまでの過程を、チーム立ち上げに携わった河口洋氏を軸に描いた物語であります。

[初稿: 2008/02/03 00:39]
[2008/02/11 追記ついでにageました]

本書で面白いのは、サッカー部創部、そして天皇杯奪取を思いついた総帥深尾茂の発想や、同部の立ち上げと運営を任された初代監督河口洋氏の驚くべき行動力を描いた6章までの、まさに事実は小説よりも奇なりという言葉を思い起こさせるような、驚くべき内容もさることながら、日本リーグ昇格後、天皇杯決勝まで至る道程を描いた7、8章が最高です。

30数年前、山口県の海沿いの小さな街、平生町に巻き起こった熱狂を余すことなく伝える筆致は、手練れの仕事であります。

ちなみに著者は「あとがき」でも自称するように、サッカーを知らない「巨人オヤジ」の編集者。当然、永大産業サッカー部のことなど知る由はない人物であります。

しかし、サッカーに無知であるからこそ、自らも当時の平生町の人々と同様、永大産業サッカー部に魅せられ、のめり込んだ結果が、前述の7、8章での各試合の詳解のような熱狂的な文章に繋がったのでしょう。

これが、なまじサッカーに知識のある書き手なら、当時の対戦相手やリーグの背景等々、「サッカー的」なコンテキストを取り混ぜて解説したい欲に駆られていたと思いますが、その点の知識が邪魔にならなかった分、純粋に永大産業サッカー部の物語に没入できたという幸せな成功例をここに見ることが出来ます。

さて、本書の最終章では、永大産業サッカー部が遺した遺産について語られます。

ここではそれに触れませんが、平生町、そして山口県を中心とした地域のサッカーに対して影響は、決して小さなものではなかったことが判ります。

吉田鋳造総合研究所」さんによれば、「永大産業サッカー部」は今も健在。 その公式サイトによれば、2004年に再発足以来、柳井市Yリーグで純粋な「愛好者」のクラブとして活動中の由。
このクラブこそ、本書でも語られている、サッカー部の管轄が工場から本社に移管されたとき、会社から切り捨てられながらも、サッカーを愛した有志によって改めて立ち上げられた「2軍」の精神を引き継いだクラブに他なりません。

まさに「物語」は、まだ続いているのです。

そして、全く永大産業とは無関係に見える、我がコンサドーレ札幌。
詳しくは本書を参照願いたいのですが、前身である東芝サッカー部は、太くはないが、決して細くもない線で、永大産業の「物語」と結ばれていました。
もしかしたら、永大産業の廃部がなければ、かつて「二部の優等生」と呼ばれた東芝は別な形で存在していたのかも知れません。

読了後想ったのは、現在の永大産業サッカー部を見るまでもなく、永大産業の「廃部」は、ひとつの物語の終わりだったかも知れませんが、別な物語のはじまりだったのだということです。

それ以外にも、サッカー好きであれば、いろいろ考えさせられたり、心に残る事柄の多い、好著であります。
拙サイトをご覧いただいている、ご常連各位にはお勧めの一冊であります。

ところで、日本のサッカーにまつわる物語をかたるとき、そのはじまりを、Jリーグ元年である1993年からはじめようとする向きがあります。

実際には突然Jリーグが出来たわけではなく、その前身たる日本サッカーリーグはそれまで30年近い歴史があります。
更に時計を戻すと、日本にサッカーが伝えられて以来、学生とそのOBを中心としたコミュニティによって支えられてきたという歴史があります。

Jリーグ発足以後の物語は、複数のメディアで取り上げられる機会は増えていますが、それ以前の物語が語られる機会は、逆に減っているような気がします。

個人的には、J以前の物語こそ、日本のサッカーの基盤を創った時代であり、語られるべき物語は、それこそ枚挙に暇はない筈なのに、それが蔑ろにされる傾向があることに危惧を感じています。

願わくば、本書のように、J以前の物語を語り継ぐ良書がこれからも続けて出版されることを願って止みません。

投稿:by nan 2008 02 11 04:00 午前 [サッカー, 書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック

2008/02/10

月刊グランドパワーNo.166「陸上自衛隊61式戦車」

久しぶりにAFV専門誌なんて買いました。

内容は61式戦車の開発ストーリー。
なかなか読み応えがあります。

詳しい感想は、また後ほど。


投稿:by nan 2008 02 10 02:42 午前 [のりもの, 書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2008/02/03

世界の傑作機125「コンベアB-36ピースメーカー」

二月に一度のお楽しみ、世界の傑作機の時間がやってまいりました。

通巻125号は、世界最大のレシプロ爆撃機コンベアB-36ピースメイカーであります。


改めてこの本を眺めてみると、意外にバリエーションが多いことに気付きます。

偵察機型や軽量化改造型(フェザーウェイトII & III)だけでなく、際物的な親子飛行機型とか原子炉搭載型、果てはジェット換装型等、その就役期間を考えると、意外に多いのではないかと。
これは、時代の背景もあるのかもしれませんが、当時世界最大を誇った機体だったこともあり、いろいろな改造を受け入れる余地があったということでしょうか。

その中でも白眉は、やはりXC-99でしょう。
と、書いてみたものの、B-36ベースの輸送機があったとは、知りませんでした。
しかも試験運用の名の下に、1機のみが10年も運用されていたとは、驚きです。
本書の解説にもある通り、1機のみしか製造されなかった試作機が、これほど長く運用されていたというのは、他に類をみないのではないでしょうか。

とはいえ、XC-99が量産化されて成功したかというと、同時期のレシプロ巨大機であるブリストル・ブラバゾンの例を見るまでもなく、難しかったであろうことは、想像に難くありません。

しかし10年も使われたということには、それなりに意味があるわけで、鉄道の大物車のように、沢山ある必要はないけど1機は欲しい、そんな種類の機体が、この手の巨大輸送機なのでしょう。
そう考えて、現代に目を向けると、アントノフAn-124が世界中で引っ張りだこの割に、追加して生産されないということにも合点がいきます(笑)。

輸送機型というと、B-58の胴体輸送用に改造された機体があったというのも初めて知りました。もしかしたらB-58の巻でも取り上げられていて、ワタシが見落としていただけカモ知れませんが(^_^;)。

ジェット換装版のXB-60は、岡部いさく氏の「世界の駄っ作機」にも取り上げられているくらいですから、詳しくは触れませんが、発注側も受注側も、B-52の「保険」とはいえ、ホントにこれでいいと思っていたんでしょうか(^_^;)。

原子炉搭載型の "Conveir Crusaider" も同様です。データが取れただけでも御の字でしょうか。

この2つと比べると、「空中空母」GRB-36Dがまともに見えてくるのが不思議です。それでも「子機」の積み込み方をみた段階で、ダメだと思わなかったのか、というのは空中給油が実用化されると知っている人間の戯言でありましょうか。

その他、本書の内容については、いつもの通りのフォーマット。技術解説で興味深かったのは、プロジェクトの査定方法について。
就役期間等からいうと「無駄遣い」との判断もできる同機ですが、それによってもたらされた派生技術をどのように判断するか、このような大規模なプロジェクトの成否についての査定の難しさを改めて感じさせます。

爆撃機を取り上げるときの定番である「オペレーションマニュアル」の項は、如何にこの時代の大型レシプロ多発機を動かすのが困難だったかということを再認識させられます。
大型機のジェット化がもたらした「福音」が高速化だけはなかったということが、このような資料からも読み取れるでしょう。

その他、ディティール写真等は、「世傑」の標準かと。
個人的には、機体前後方に装備された格納式ターレットの展開、格納の仕組みが判る解説が欲しかったところですが、あまり詳しい写真が残っていないのかも知れませんね。

とりあえず、こうやって改めて取り上げる機会の少ない機体なのは確かでしょうから、大型好きの方には、お勧めの一冊ではあります。

投稿:by nan 2008 02 03 09:11 午後 [のりもの, 書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

「天才」長谷見昌弘

「レーシングオン」No.424の特集は「長谷見昌弘」。

普段は同誌をあまり手を取る機会はありませんが、ワタシが敬愛して止まない「世界一」のドライバー長谷見さんの特集とあっては、買わずにいられますまい(笑)。


全体を通じて、これまでメディアを通して知っていた「長谷見昌弘」像を裏打ちする内容だといえましょう。

その中でも白眉は、赤井邦彦氏によえる「長谷見昌弘という青春 幻のF1企画書」でしょう。
詳しくは本書をお読みいただきたいと思いますが、’78年に「あの」テディ・イップ翁率いるセオドールレーシングのシートに、長谷見さんを乗せようとしていたという活動があったとは。驚きでありました。もしも実現していたら、文中にもありますが、日本のモーターレーシングの歴史は、別な進路を辿っていたかも知れません。

それ以外にも、驚きだったのは、あの「グループC」スカイラインが、長谷見さんの企画だったということ。
既にポルシェ956という、完成した「お手本」がありながら、フロントエンジン・リアドライブという、特異な形態で出現したグループCカーのことです。
あれが’82年のキャラミに出場したクルマと同一のものであった、ということは、今回初めて知りました。
当時から時節をまるで無視したかのような構成のマシンで、成績もふるわず、苦労したはずなのに、長谷見さんにとって思い入れのあるマシンということは実に意外でありました。

全体として、なにやら「日本のレース100選」の副読本的匂いもする構成の特集ではありましたが、長谷見さんのファンにとっては、楽しめる内容となっており、必携の一冊であるといえましょう。

さて、余談ですが、今回の特集内にハセミモータースポーツの広告が目立ちます。
まさかこの特集自体が長谷見さんの「持ち込み」企画ってことはないですよね(笑)。

投稿:by nan 2008 02 03 08:17 午後 [書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

サッカー茶柱観測所 (えのきどいちろう著)

サッカーマガジン連載(一部「サッカーJ+」掲載分も含む)のえのきどいちろう氏のコラムが単行本にまとまりました。

連載当初から、これはまとめて読むと読み応えがあるのではないかと思っていましたが、その考えは当たっていたようで、実に滋味深い読み物になっています。

基本的には「ネタ系」で、コアなファンから見ると、不謹慎というかくだらないネタに見えるものも多々ありますが、よく読んでみれば、「首までどっぷり浸かって」いない一歩引いた立ち位置から眺めているからこそ見えてくれることを、しっかりと書いてくれています。

連載中からのファンも、そうではなかった方も、これを機会に読み返してみると、改めて大事なことが見えてくる、そんな一冊のような気がします。

投稿:by nan 2008 02 03 12:54 午前 [サッカー, 書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/05

誰も寝てはならぬ 7

前述の「とりぱん」と並んで、ワタシがモーニングを手に取る理由が、この「誰も寝てはならぬ」。

著者のサラ・イネスさんとは、サラ・イイネス名義以来のつきあい(って、実際にお会いしたことなんてありませんが)。
かつては「オートスポーツ」誌の読者投稿の常連で、レース、ラリーネタにハードロックネタを絡めた、当時の読者層を考えると、極めてマニアックなネタを展開していたのを観て以来、ずっと読み続けております。

「とりぱん」が「身の丈ワイルドライフ」なら、こちらは極めて生活臭の乏しい、それでいて実に下世話な「東京なのに大阪な、のほほん徒然草」。

そんなゆる~い本作も、早いもので第7巻。
巴ちゃんとねねちゃん姉妹の実家(旅館)への「社員旅行(後編)」に始まり、ヤーマダくんとハルキちゃんの「原発ツアー」までの、全21編。

一時、動きそうに思われた(!?)オカちゃんと、ハルキちゃんの関係も、こともなし。
いつも通りの、のほほん、お気楽極楽ライフが繰り広げられております。

さて、「誰も寝てはならぬ」といえば、表紙カバー。
よーくみると、いつも細かい描写が印象的であります。

第1巻に引き続き、赤坂の「街角風景(笑)」なわけでありますが、こういうのは「資料」を基にしているのか、それとも記憶のみで描いているのか、とても気になります(^_^;)。

投稿:by nan 2007 11 05 12:19 午前 [書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2007/11/04

とりぱん 4

「身の丈ワイルドライフ」も、早いもので第4巻目。

今回の帯によると「焙じ茶に合います。」だそうで、焙じ茶好きのワタシには絶好の1冊か(笑)。

ちなみに、4巻目にして仕事場をご実家から「50坪の菜園がある」借家に移動されたようで、そのエピソードも含まれています。
#一応、毎週読んでいるつもりですが、気付きませんでした(^_^;)。

連載開始当時はプー同然から、4巻で独立(!?)。
このペースだと8巻位で豪邸建設でありましょうか。
今後の成り行きを見守りたいと思います。

余談はともかく、いつもながらの鋭い観察眼には感服。
おそらく、モーニング誌上の他の作品群と比べて、刺激もなく、地味、かつマンネリの危険性がある、この作品の連載が続いているのも、この観察眼と、それを物語に落とし込む著者の独特のセンス故ではないかと。

ちなみに、1~3巻でも感じたことではありますが、本巻の冒頭(81羽)の口絵や、巻末に収録された短編(「花」)をみると、正統派の「少女漫画家」であることを再認識。
本編は一見それほど画力があるようにはみえませんが、ある一定の技量がある故に出来る技なのかな、と。

おそらく、鋭い観察眼や、センスだけでなく、この画力もまた人気の秘密なのかも知れません。

投稿:by nan 2007 11 04 11:55 午後 [書籍・雑誌, 趣味] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

鉄道ピクトリアル 2007年12月号(通巻797)

特集は「DD13・14・15」。

おそらくは同誌でなければ、組めない地味な特集でありましょう【バコッ★】。

国鉄の無煙化、および動力近代化政策の中、標準型DLの一番手として登場し、日本全国で国鉄だけでなく、私鉄でも多く活躍し、実はバリエーションも豊富な車種ながら、意外なことに趣味的には、あまり顧みられることのなかったことが車種でもあります。

現車は後述の通り、殆どが姿を消していますが、個人的には函館駅構内で連絡船への貨車の積み卸しをこなしていた姿や、五稜郭の貨物ヤードでの姿を思い出します。

特集の内容は、開発から運用、そしてバリエーションの解説と、同誌のいつもの特集の構成通り。
そして記述内容も、同誌の標準通り濃いものになっています。

おそらくこれまで趣味誌等で取り上げられる機会が少なかった理由は、その現役時代、ほとんどの時間をヤードや、専用線などで過ごし、一部の例外を除き、殆ど本線上に現れることはなかったということや、国鉄所有車については、貨物ヤード全廃の影響もあり、除雪型(DD14,15)を除き、ほぼ全車が廃車されており、近年の「国鉄型ブーム」の中でも話題に上らなかったということが挙げられるでしょうか。

今回の特集を読むと、地味どころか、日本(国鉄)の車両史の中でも重要で、実に興味深い内容を持った車両であったことを、よく知ることが出来ます。

ディーゼル機関車好きには、是非一読をお勧めしたい号であります。

ちなみに、次号には特集ではないようですが、寒冷地型の話題が載るようですので、こちらも楽しみです(ちなみに特集は「貨物輸送」の由)。

投稿:by nan 2007 11 04 11:30 午後 [のりもの, 書籍・雑誌, 趣味] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/08/16

「中の人」など居ない派です

最近、気に入って繰り返し読んで(眺めて)いる本をご紹介。

「着ぐるみマスコットぞろぞろ! in 英国フットボール ~ 着ぐるみが見せてくれる素顔の英国フットボール」
アルマジロひだか著 技術評論社刊

ひょんなことから英国フットボールの・・・正直に言おう、ブラックバーン・ローヴァーズに夢中に」なり、「クラブに付随するいろいろなことや取り巻く環境にも夢中になった」著者。
そんな著者をして、「気付かなかったことにしよう」と思ったのが、「なぜにこんなとんでもなく可愛くない、もとい、すんげえコワい」マスコットであるロア(Roar)君。

しかし、他のクラブのマスコット達もロア君に負けず劣らずの「猛烈にへなちょったヤツばっかりだ~!」ということに気づき、英国の各クラブのマスコット達の取材をはじめ、それをまとめたのがこの本。

斜体部は本書の「まえがき」からの引用。

見た目はいかにも軽くてお手軽な本ですが、実は大変な労作。

イングランドのプレミアシップとチャンピオンシップ(2部相当)を中心に47クラブのマスコット達(中には「生身の人間(≠着ぐるみ)」も居る!!)を集めただけでも相当なものですが、「着ぐるみは『クラブに傾倒しすぎているファン代表』みたいなもの」だと気付いた筆者によって、マスコットを通じて描かれる英国のフットボール文化の一端はなかなか興味深いものがあります。

この本の目玉はなんといっても“Behind the Mascots(中の人にきいてみました)”の章。
本来、ワタシはこのエントリのタイトル通り「『中の人』など居ない」派なので、このような行動は激しく糾弾したいところですが、如何に彼の地のフットボールクラブが地元に根付いた存在であるかを示す重要な章なので、今回だけは許してしまおうと思います(^_^;)。

マスコット好きは眺めているだけでも楽しめるのは当然のこと、そうではなくてもサッカー好きなら、彼(彼女)らの姿を通じて、いろいろと考えることができるでしょう。

チームを、クラブを、サポートするということは? 地域に根付くということは? 歴史って? そして楽しむってことは?

いろいろなキーワードが隠されている1冊だと思います。

投稿:by nan 2006 08 16 12:13 午前 [書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2006/08/05

「うつうつひでお日記」 吾妻ひでお

名著「失踪日記」執筆時期の日記。

「失踪日記」のときにも感じたことですが、かなりキツい話の筈なのに、それを感じさせないのは凄い。
ここまで落ち着いて客観的に自分を見つめるってのは、なかなか出来ないことです。

「失踪日記」のあとがき(とり・みき氏との対談)では、それが「ギャグ作家としての性」といった発言がありましたが、それが出来るのは「強い」部分を持った人なのではないかと。

逆にいうと、氏には「マンガ」という道具が、自己を見つめ直す道具となると同時に、危機的状況の中でも踏みとどまることが出来る助けになっているような気もします。元々の強さをマンガというか、創作活動が底支えしているのでしょう。
前作でもそれを感じましたが、今作はこのことをそれ以上に強く感じました。

「何かに熱中していると うつが出ないから 精神衛生上 良い」(P132)

これはもの凄く重みのある言葉のような気が。

それにしても凄い読書量。あの独特のセンスはこういったところにも支えられているのだなあ、と再認識。
氏ならではの丁寧な画のスタイルも健在。これだけキャリアのある人だと、枯れたり荒れたりすることもあるんですけどね。

ファンならずともおすすめできる1冊であります。

でも、これも売れると、益々「日記」需要が増えそうで元々からのファンにとっては、ちょっとアレかも(^_^;)。

投稿:by nan 2006 08 05 10:19 午前 [書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック

2006/07/26

日本ふるさと沈没

最近買った(読んだ)本のご紹介など。

「日本ふるさと沈没」鶴田謙二ほか(徳間書店)

2度目の映画化となった「日本沈没」。
それに寄せたアンソロジー。

内容は豪華執筆陣(笑)にそれぞれの故郷を「沈め」てもらうというもの。

カバーイラストレーションとカバーストーリー(!?)は鶴田謙二。
彼だけどこも沈めてないぢゃん、とか思ったら、静岡出身なのね。きちんと沈んでました。失礼m(__)m
なんだかこれだけでは勿体ないので、折角だから全編書いてくれないかしら、と思ったりして。
でも、完結するまでにどれだけ時間がかかるか判らないので無理かも知れない、と思ったりもして(^_^;)

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我が北海道代表は、吾妻ひでお、あさりよしとう、唐沢なをきのお三方。
それぞれ、らしいというか、なんというか。特に吾妻さんはいいなあ。

あと、個人的に面白かったと思ったのは、ひさうちみきお(京都)、いしいひさいち(岡山)、寺田克也(岡山)、安永航一郎(西日本の西の方)。
ひさうちさんは相変わらず「変」。いしいさんは相変わらず「意地悪」。寺田氏は画力だなあ。安永さんはその手があったか、って感じ。

トリはとり・みき(地口ではない)。
単純に北からやっていくと、熊本出身の彼になるわけだが、元「コマケン」会員でもあるので適任かと。

万人にお勧めはしないけれど、執筆陣の名前にピンときた方は、お手に取ってみては如何でしょう。

投稿:by nan 2006 07 26 11:15 午後 [書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック

2004/12/20

年の瀬の贈り物



児玉英雄作品集「HIDEO KODAMA:DESIGNER」 児玉英雄

定価 6090円
A4判変型 横開き 並製 カラー2分冊箱入り/56ページ+208ページ
ISBN4-544-04131-7

今でこそ、世界中のスタジオで多くの日本人のカーデザイナーが活躍していますが、その先駆けがアダム・オペル社の児玉英雄さんだということは、ワタシがここでご紹介するまでもないでしょう。
雑誌「NAVI」創刊以来、毎月連載されている“Hideo Kodama Gallary”に氏が寄稿された中から100点の画を選んでまとめられたのがこの「画集」です。

刊行前にの事前予約のときに発注しましたが、当初の刊行予定(11月)から刊行が遅れており、いつになるのかと気をもんでおりましたが、日曜日の午後にクロネコさんが運んで来てくれました。

ちなみに奥付の日付は12月25日でありました。

早速、“Gallary”の方から眺めていますが、期待に違わぬ出来。
連載時のサイズほぼそのままに、氏の素晴らしい画を堪能しております。

ブックデザイン、装丁等々、二玄社の面目躍如といったところでしょうか。
NAVIを定期的に買わなくなって結構な時間が経っていますが、中にはかつて観た覚えのあるイラストが多数納められており、当時のことを思い出しながら眺めておりました。

200点を超える中から、100点を選ぶのは難しい作業であったと思われますが、個人的には数回掲載された児玉さんらしい小型車の提案のアイディア(確か、“ICBM(Inter City Business Machine!?)”というライトウェイトスポーツなんかがあったと思います)とか、ご自身も所有されているヒーリィー・シルヴァーストーン等も収録して欲しかったところです。

そんなワタシのわがままはともかく、NAVIの連載を毎月楽しみにしていた方にはmust buyの1冊でしょう。
ワタシも元旦に東京へ行く用事が無くなってしまいましたので(笑)、年末年始はこの本と一緒に過ごしたいと思います。

実は月曜日は誕生日でして、その前の日に思いがけなく嬉しい誕生日の贈り物をもらった気分になりました。

って、あとで自分で代金を郵便局に振込に行くわけですが(爆)。

投稿:by nan 2004 12 20 02:35 午前 [書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック

2004/04/01

まさに「スター」。

とりあえず、最近読んでいる(眺めている)本から2冊ご紹介。

世界の傑作機「No.103 ロッキードF-104スターファイター」
世界の傑作機「No.104 ロッキードF-104J/DJスターファイター“栄光”」

「世界の傑作機」において、一機種(シリーズ)複数巻モノは珍しくはありませんが、過去に複数巻で刊行された機体は多岐に渡る派生型が存在するモノだったことを考えれば、それほどのバリエーションも無いF-104が分冊され、しかもJ型のみで1冊できあがってしまうのは異例であるとと共に、我が国での「マルヨン」人気の強さに改めて驚かされます。

そういう自分もF-106の巻末で刊行が仄めかされ、F-101が「No.101」で刊行されてから、本巻の刊行を心待ちにしていた一人ですが(笑)。

「下巻」はまさに「決定版」といって過言ではないでしょう。
カラーページや細部写真が少ないという不満もありますが、三菱でのライセンス生産風景の写真を発掘し公開しただけでも意味があります。個人的にはこれだけでもおなかいっぱいです(笑)。
写真関連は他でも補完できると思いますので、J型の「背景」を押さえる意味では「マルヨン」ファン必携の1冊でしょう。

上巻も「世傑」らしくよくまとまっていますが、下巻を見た後では少々物足りなさを感じます。
出来れば、旧西独での核攻撃機としての運用や、独自の改良が施され、予想以上の長命となったS型の改良内容についての詳細な解説があれば、さらに満足度は高かったと思います。

さて、巻末の編集後記の内容から察するに、まさか“Thud”の改訂版を用意するとは考えられないので、次号はBf109でしょうか?
これもバリエーションが多い機体ですので、No.109に合わせて複数巻が投入されるのカモ。期待しましょう(笑)。

投稿:by nan 2004 04 01 05:47 午後 [書籍・雑誌] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック