1980年代末期から1990年初頭にかけて、1,000台限定生産されたにアルファロメオのスペシャルモデルがこのSZです。
SZの原型は、1989年のジュネーヴ・ショーでデビューした“ES30(Experimental Sportscar-3.0 litre)”。
本国で“Il Mostro(The Monster:怪物)”の異名を頂いた独特なスタイルが人気を呼び、そして実に久しぶりとなる“SZ”の名前の復活もあって、同ショーで公開後、世界中から3,000を超えるオーダーが舞い込んだともいわれています。
翌1990年に予定通り生産が始まり、最初の289台がラインオフ後、1991年までに予定通り1,000台を生産し、生産を終了しています。
ちなみに総生産台数は1,036台(このうち36台がプロトタイプの由)。
#ちなみにその後、スパイダー(RZ)が350台生産されています。
ちなみに現地価格は1億リラ(当時のレートで約1,000万円)。
当時、日本はバブルの真っ最中で、アルファロメオ・ジャパンが正式輸入を行わなかったこともあり、プレミア付きの並行輸入車が、本国価格の2倍近い高値を付けていたこともありました。
メカニズムは当時のアルファロメオの主力車種であった75を基にしています。
そのラインナップ中、最強版である3.0V6ベルリーナがベースといっていいでしょう。
シャシーの構造は75のフロアパンを流用し(2,510mmのホイールベースも同一)、この上にスチールのボディ骨格を溶接構造で構築しています。
その上にFRP(低温射出成形FRP)のボディを架装しています(ルーフパネルはアルミ合金。リアウイングはカーボンファイバー)。
エンジンと駆動系も75のそれを引き継いだものです。
エンジンは60°V6 SOHC12バルブ 2,959cc。出力は210ps/6,200rpm、トルクは25kgm/4,500rpmと、75よりも若干チューンされています。
5段ギアボックスもまた75と同様のトランスアクスルで、一体化されたクラッチ、ファイナルはド・ディオン・アクスルと組み合わされます。