戦前戦後に多く作られたフィアットの大衆車ベースのスポーツカーの中でもとりわけ有名な1台がこの508バリッラ・スポルトでしょう。
ベースとなった508バリッラは、1932年4月12日のミラノショーでデビュー。低廉でコンヴェンショナルであることを徹底した合理性はイタリア国内のみならず、欧州全土でも指示され、戦前のフィアットの最高傑作と謳われるほどのベストセラーとなりました。
'33年にはそのバリッラをベースにカロツェリア・ギアの手による魅力的なボディを身に纏ったこのクルマ「スポルト」が登場します。
ベースとなったバリッラ同様、この魅力的なスパイダー(イタリア流に言うなら「バルケッタ」)は多くの愛好家の支持を受け、特にエンジンとトランスミッションに改良を受けた後期型('34~)が世界最高のマイクロスポーツとも呼ばれています。