1923年型のT型フォードのトラックです。
T型フォードは廉価であったことから、トラックやバスなどの商用にも多く用いられたことで知られます。
広いアメリカ全土、誰でも名前を知っている大都市の街中から、誰も名前を知らないような片田舎の農場まで、まさにwork horseとして朽ち果てるまで働き続けたT型も多かったことでしょう。
そんなことを想うと、このようなトラックを所蔵、展示することも非常に重要であるといえます。
ところで、かのヘンリー・フォードはT型フォードの車体色について、こういったそうです。
「どんな色でも塗ることができます。それが黒ならば
(“You can paint it any color, so long as it's black”)」
この車に塗られた「黒」も、その中の「1色」だったのでしょうか。
ご存じのように、上記の言葉をヘンリー・フォードが語ったというのは俗説です。
しかし、T型フォードという「大量生産、廉価」な車の性格を語る上では、欠かすことのできないエピソードだといえるでしょう。