オーバーン・スピードスターのレプリカです。
展示室の説明には「1931年型オーバーン・ポータル・スピードスター」とありましたが、実際には1935年型あたりのボートテイル・スピードスターを模したモデルだと思われます。

これらのクラシックカーのレプリカのことをレプリカー(Replicar)と呼びますが、レプリカと侮るなかれ。

これらのレプリカーは、1965年のエクスキャリバー(Excalibur)に端を発するといわれ、70年代にブームとなり、80年代初頭にかけて、多くのメーカーから多くのモデルが世に送り出されています。

その中には単なるレプリカの域を超えたオリジナリティを持つものや、一見しただけではオリジナルと区別が付かないような見事なものもあり、アメリカ車が元気を失っていた'70~'80年代にあって、異彩を放った記憶されるべき存在であると思います。

特に、ACD(Auburn, Cord, Duesenberg)の各モデルを模したレプリカーは人気があり、中にはオリジナルのデザイナーであるゴードン・ビューリグさえ本物と信じてしまったという逸話を残す逸品さえありました。

特にオーバーンのスピードスターは多くのレプリカーが作られ、この車もその1台だと思われます。
当時、この車を買った車好きが、何故最新の車では無く、このようなレプリカーを求めたのかを考えてみるのもおもしろいのではないでしょうか。